松山電気軌道01
松山電気軌道開通記念絵葉書

松山電気軌道の廃線跡のうち本町以西の区間は遺構も資料も乏しく記事にしにくいため、前回の更新から7年以上も開いてしまいましたが、ここを書かない事には先に進めないので今回は三本柳から六軒家まで一気に紹介しときましょう。
まずは今回紹介する区間とは直接関係ないけど、最近になって発見した松山電気軌道の開業記念絵葉書から。これは乗車券も兼ねた記念切符的なもので運賃は通行税込で9銭(乗車区間は不明)。日付印は明治44(1911)年9月20日となっていて、これは難工事のため開業が遅れた札ノ辻~本町間(L=0.3km)が開通した翌日に当たります。


松山電気軌道02
三本柳駅跡付近

住吉から真っすぐ南下してきた松電が東に進路を変えていたのが三本柳駅。現在の駅跡付近は県道219号・砥部伊予松山線との丁字路交差点(三本柳交差点)になっています。交差点の角が住吉の交差点と同様に弧を描いており、これは電車が円滑に右左折するための名残なのかもしれません。


松山電気軌道03
三本柳交差点の白看

松電が敷かれていた三津街道(旧国道437号)は、松山市と旧三津浜町を結ぶ幹線道路だったため、三本柳交差点には白看が設置されています。ちなみに国道196号との交差点(本町5丁目交差点)にも20年ほど前まで白看が残っていました(「←今治、道後→」、距離は忘れた)。


松山電気軌道04
三本柳交差点の白看
(こちらは10年ほど前に撤去済)



松山電気軌道05
山西駅跡付近

三津街道を直進すると先に開通していた伊予鉄と平面交差(新田高校踏切)してしまうので、松電は山西付近から三津街道を外れ専用軌道で江戸谷に迂回していました。この間の正確な経路は不明ですが、地図上に自然な線形を描くと山西バス停辺りから現在の新田高校の敷地を通って江戸谷に入っていたのではないかと思います。


松山電気軌道06
江戸谷駅跡付近

上記の事情から江戸谷は松電では最長の専用軌道区間(約1.5km)でしたが、高度成長期に宅地開発が進んだため現在では松電の廃線跡は判然としません。この狭い谷間を伊予鉄、JR、松電が針の穴を通すように敷設されていました。


松山電気軌道07
知新園跡付近から三津方面を見る

江戸谷の西口の高台には、伊予鉄の梅津寺遊園地に対抗するために松電が建設した「知新園」なる遊園地があったそうですが、こちらも伊予鉄に吸収合併された際に閉園となり、今となっては正確な所在地さえ分からなくなっています。地元という事で聞き取りを行った事もありますが、なにしろ90年以上も前の話なので知新園を記憶している人に出会う事はできませんでした。


松山電気軌道08
衣山5丁目の三津街道

三津街道が再び伊予鉄道と交差(衣山トンネル跡)して南側に戻って来ると、松電も三津街道に復帰します。こちらも山西側と同様に正確な合流地点は不明ですが、跨線橋の東側で三津街道と交差して北側に出て、衣山交差点付近から三津街道上の併用軌道に戻っていたようです。


松山電気軌道09
松電の廃止後(昭和2年~)とみられる三津街道
(上の写真とほぼ同じ位置)



松山電気軌道10
衣山駅跡付近

松電の駅の中ではうちの最寄駅だった衣山駅は伊予鉄・衣山駅の南側、衣山交差点付近にありました。もし松電が現存していたら路面電車と直通しているので、古町駅での乗り換えを要する現状よりも、ほんの少しだけ便利だったかもしれないと思ったりもします。まあ、住民の僅かな利便のために路線を維持する事はできなかったから早々に廃線になったんでしょうけど。なお、写真に写っている喫茶店・サンセットは数年前に廃業して、現在はファミリーマートが営業してます(食べログ)。


松山電気軌道11
ハローワーク前を通っている三津街道

衣山~六軒家間にあるハローワークの敷地内には、松電の写真付きモニュメントが建立されていました。松電を記念するのは良いんだけど、ハローワークという場所には場違いな気がしないでもない。


松山電気軌道12
松電のモニュメント



松山電気軌道13
六軒家駅跡付近

松電は六軒家駅があった六軒家駅付近からは三津街道に別れを告げ、南東に進路を変えて萱町、本町を目指します。これはこのまま三津街道を東進すると伊予鉄の二路線(高浜線と城北線)と交差してしまう事から、跨線橋が一ヶ所で済むように両線が一つに集束する古町駅の北側を通るための進路変更かと思います。


松山電気軌道14
古町跨線橋付近の松山電気軌道
(戦前絵葉書より)

古町跨線橋の北側には松電では唯一の車庫である六軒家車庫がありました。この車庫は松電廃止後も、しばらくは伊予鉄の車庫として跨線橋と共に残されていたという話です。また、跨線橋に登る築堤部分には宮前川が横切っており、両岸には橋台の一部とみられる煉瓦が現存しています。


松山電気軌道16
宮前川の煉瓦遺構



松山電気軌道17
松山電気軌道
(三本柳~南堀端間)

③【六軒家~札ノ辻】に続きます。


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