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河口隧道01
河口隧道
(戦前絵葉書より)

「石鎚山王子ヶ森(新道トンネル)」というタイトルの絵葉書、これは愛媛県道12号・西条久万線の河口隧道(愛媛県西条市)を撮影したものです。


河口隧道02
河口隧道周辺地図

加茂川沿いの河口隧道は大正13(1924)年に開通。それまでの旧道は旧大保木村(S31/09/28→西条市)から山間部に分け入り、横峰寺からモエ坂を下って河口に至るという、車両が通れない非常にアップダウンの大きな経路を通っていました。この道中の最高所となる星ヶ森は旧千足山村(S26/08/10→石鎚村)の道路元標の設置場所に指定されており、大正9(1920)年当時は主要な交通路として認知されていたようです。
なお、当初の旧千足山村役場はモエ坂から谷間に入った槌ノ川(地図上に表示)に設置されていましたが、昭和19(1944)年には県道沿いの虎杖(いたずり)まで下りてきました。





河口隧道03
千野々橋
(奥が久万高原側)

旧大保木村の中心部に架かっている旧県道12号の千野々橋は大正14(1925)年の完成。これ以前には木製の吊橋が架かっていたとの事で、時期的に考えて河口隧道に接続するための車道化によって架け替えられたものなのでしょう。昭和時代に2度の補修が行われており、その影響か竣工当時の親柱は4基とも失われていました。上流側に新千野々橋が開通しているため、現在は千野々地区の生活道路として余生を送っています。


河口隧道04
千野々橋

【千野々橋】
大正14(1925)年竣工
延長34m、幅員4.3m、重量制限14t
鋼プラットトラス橋





河口隧道05
河口四号隧道 西条側坑口
(平成18年2月18日撮影)

全国隧道リストに記載されている河口隧道は一号、三号、四号の計3本。どちら側が一号なのかは存じませんが、この隧道は明らかに延長46.0mもないので、四号隧道と考えるのが妥当でしょう。昭和初期に撮影された絵葉書(下)と比較してみると、モルタルが吹き付けられている他は、隧道本体には大きな変化は見られません。

【河口四号隧道】
大正13(1924)年竣工
延長9.0m、幅員3.5.m、高さ4.2m


河口隧道06
河口四号隧道 西条側坑口
(戦前絵葉書より)



河口隧道07
河口四号隧道 久万高原側坑口

久万側の坑口はオーバーハングした片洞門と一体化しており、延長9mという隧道の長さ以上に大規模な土工が施されている事が分かります。近年では地方の山間部でも現役の主要地方道で、このような片洞門を見られる場所は少なくなってきました。





河口隧道08
河口三号隧道 西条側坑口

続いて三号隧道。こちらは四号隧道の倍程度の長さがあります(L=18m)。


河口隧道09
河口三号隧道 久万高原側坑口

【河口三号隧道】
大正12(1923)年竣工
延長18.0m、幅員3.5.m、高さ4.2m




河口隧道11
崩落した片洞門
(平成30年1月2日撮影)

三号隧道を抜けると片洞門が崩落した形跡があったのでググってみると、僅か40日ほど前の出来事だった事が判明。平成29(2017)年11月22日発生した落石によって県道12号は2日後の24日まで通行止になっていたとの事です。
平成18(2006)年に撮影した写真(下)を確認すると、崩落した片洞門は路上への被り方が一番大きなものだったので、人的被害が出なかった点は良かったものの、道路景観としては残念に思います。


河口隧道10
崩落前の片洞門
(平成18年2月18日撮影)

大規模落石 60人孤立 県道西条久万線、全面通行止め けが人なし

22日午前10時半ごろ、西条市中奥の県道西条久万線で、高さ20メートル、幅20メートルにわたって大規模な落石があり、幅約5メートルの道路を完全に塞いだ。巻き込まれた車両やけが人はなかったが、全面通行止めになったため、住民や観光客ら約60人が孤立状態となった。(以下略)


毎日新聞 平成29年11月23日(木)配信記事より


河口隧道12
片洞門と三号隧道
(左:戦前絵葉書、右:平成18年2月18日撮影)

そして、この片洞門と三号隧道(久万側坑口)が冒頭に掲載した絵葉書の撮影地だったようです。こちらも片洞門が崩れるまでは、四号隧道と同様に戦前から殆ど変化がありませんでした。


河口隧道13
片洞門を通過する「せとうちバス」






河口隧道14
三号隧道~二号隧道間
惜しくも隧道になり損ねた感じの片洞門



河口隧道15
三碧橋と廃隧道

加茂川を渡る三碧橋(昭和42年1月竣工)の袂には一般人には理解しがたい洞穴が口を開けています。この穴が三碧橋架設以前の旧道で河口二号隧道です。つまり三号、四号隧道とセットで建設された一号、二号隧道は、50年以上も前から廃道化している訳です。


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