鳥形山隧道01
鳥形山鉱山周辺地図

別枝大橋から岩屋川沿いの林道(緑資源幹線林道・小田池川線)を遡っていくと昭和43(1968)年から開発が始まった鳥形山石灰石鉱山(高知県吾川郡仁淀川町)に辿り着きます。鳥形山の石灰石は豊富な埋蔵量と良質で知られており、標高1,000m以上の高山で年間1,200万トンもの石灰石を産出する大規模な露天掘りが行われているのです。
鳥形山への道は、他には大渡ダム付近からの高瀬ルートと南側からの泉ルートがありますが、別枝ルートが道幅が広くてカーブも緩やかなので無難で通行しやすいルートだと思います。


鳥形山隧道02
伝説の里 「都」(標高700m)

緑資源幹線林道から分かれて町道に入ると「伝説の里 都」なる看板が現れます。
都とは別枝地区最奥の集落で、何が伝説かと言うと源平合戦に敗れた平家一門と安徳天皇がこの地に落ち延び「都」と名付け住み着いたという、いわゆる平家の落人伝説の事らしい。峠を越えた隣町の高岡郡越知町横倉山には安徳天皇の御陵墓参考地もある事から、全く根拠がない伝説ではありません。


鳥形山隧道03
【A地点】 鳥形山隧道 北側坑口

標高1,020mの石神峠から少し下ると鳥形山の直下を貫いている鳥形山隧道が口を開けていました。
石灰石を満載した大型ダンプでも出てきそうな立地ですが、石灰石の搬出には須崎市まで長大トンネル内に敷かれた全長20km超のベルトコンベアが使用されています。鳥形山隧道が建設された主たる目的は、鳥形山鉱山を南北に移動する為の通路を確保する為です。

【鳥形山隧道】
昭和49(1974)年竣工
延長1,496m、制限幅3.8m、制限高3.5m


鳥形山隧道04
1990年代のツーリングマップ

ところで、現在では遮断機などが設置されて一般車が通行し難い雰囲気になっている鳥形山隧道ですが、10年以上前までは一般車も割と普通に通り抜けており、当時のツーリングマップにもツーリングコース(紫線)としてコメント付(「鉱山のトンネルで峠へ…」)で紹介されています。かく言う私も過去に3回ほど通り抜けた経験がある一人なのでした。
ちなみに四国内で似たような位置付けにあるトンネルとしては南国市の黒磯谷トンネル(昭和40年竣工、四国鉱山開発専用道路)や、須崎市の住友大阪セメント敷地内にある押岡・神田トンネル(仮称)などがありますよ。





totigatayama-tn19.jpg
押岡・神田トンネル(仮称)
(高知県須崎市の住友大阪セメント敷地内)





鳥形山隧道05
鳥形山隧道内の第1待避所

それでは隧道内に入洞してみましょう。
洞内は入口付近は巻き立てられていましたが、すぐに素掘りのままの状態となりました。所々に離合の為の待避所が設けられていて、通り抜けてみると待避所は等間隔に4ヶ所(300m間隔)あったように記憶しています。
※通り抜けたのは20年近く前なので、現在と比べると多少の変化があるかもしれません。


鳥形山隧道06
【B地点】 鳥形山隧道内の第3待避所

北口から約900mほどで洞内は地図に描かれている通り、大きくカーブして南東に向けて進路を変えていました。このカーブ地点は断面が一際広くなっており、石灰石の採掘活動における拠点の一つになっているようです。また、この辺りは採掘現場の直下に位置しているので、立坑なども設けられているのではないでしょうか。


鳥形山隧道07
【B地点】 鳥形山隧道内の第3待避所
(奥が隧道北口)

大カーブの第3待避所を振り返ると直進方向にシャッターが設置されていました。このシャッターの奥は地図で見ると洞外に通じている可能性はなく、何かあるとすれば立坑ぐらいでしょう。
鳥形山隧道の南側坑口については写真を撮っていませんが、隧道を抜けると直角にカーブした後に数段のヘアピンカーブを経て国道439号線に接続しています。近年、南側坑口には警備員の詰所が設置されたらしく一般車での通過は事実上不可能になっているという事です。





鳥形山隧道08
【C地点】 石神峠
(奥が鳥形山、別枝方面)

折角だから北側から車で行ける所まで進んで、露天掘りの採掘現場に最接近してみましょう。
旧来の石神峠は別枝、都と泉、長者を結ぶだけの細々とした峠でしたが、昭和43(1968)年に峠に被さる形で鉱山の開発道路が開通してしまった為、峠らしい雰囲気はあまり感じられません。


鳥形山隧道09
石神峠の青看



鳥形山隧道10
【D地点】 鳥形山の採掘現場に向かう鉱山専用道路



鳥形山隧道11
【E地点】 一般車両の終点

鉱山専用道路が分岐する鳥形山鉱山の事務所から約2kmほど進むと、町道は遂にゲートによって遮られてしまいました。この先には森林植物公園の一部として遊歩道が整備されていて、鳥形山に相対する標高1,325m地点の展望台まで上がる事ができます(徒歩10分)。


鳥形山隧道12
森林植物公園の看板



鳥形山隧道13
【F地点】 鳥形神社と展望台
(これより先は鉱山事業場内につき立入禁止)



鳥形山隧道14
【F地点】の展望台から見た鳥形山

開発が始まる前の鳥形山は県立自然公園にも指定された動植物の豊かな山林でした。石灰石の採掘開発が決定すると、自然公園の指定は外され1,459mあった標高は大きく切下げられて、平成26(2014)年の地図に記された鳥形山の標高は1,342mまで下がっています。今後も採掘が進むにつれて鳥形山は、その山容を大きく変化させていく事でしょう。


鳥形山隧道15
鳥形山の採掘現場(北側)



鳥形山隧道16
鳥形山の採掘現場(南側)



鳥形山隧道17
空中写真で見る鳥形山の採掘現場
(昭和50年撮影)



鳥形山隧道18
鳥形山隧道周辺地図



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