夜昼トンネル01
夜昼トンネル(八幡浜口)入らんとする列車
(戦前絵葉書より)

愛媛縣喜多郡と八幡浜市を継ぐ夜昼トンネルは丹那に次ぐ難工事と云はれ完成に六ヶ年の日時と延人員四十萬人、総工費百五十萬円を要した。延長は二・八七キロで全国第九位四国第二である。

予讃線の伊予平野駅~八幡浜駅間は昭和14(1939)年2月6日に開業しています。現・大洲市~八幡浜市境に位置している夜昼トンネルの掘削では蛇紋岩地帯に遭遇した為、東海道本線の丹那トンネルに次ぐ難工事とまで言われました。なお、絵葉書の解説文では「全国9位」と紹介されていますが、実際には以下の通り国鉄限定でも11位、私鉄も含めると13位が正解のはずです。おそらく夜昼トンネルの1~2年前に開通した仙山トンネルと宇佐美トンネルが漏れているのでしょう。

①上越線・清水トンネル(昭和6年開業、L=9,702m)
②東海道本線・丹那トンネル(昭和9年開業、L=7,804m)
③仙山線・仙山トンネル(昭和12年開業、L=5,361m)
④中央本線・笹子トンネル(明治36年開業、L=4,656m)
⑤石北本線・石北トンネル(昭和7年開業、L=4,329m)
⑥土讃線・猪ノ鼻トンネル(昭和4年開業、L=3,845m)
⑦筑豊線・冷水トンネル(昭和4年開業、L=3,286m)
⑧岩徳線・欽明路トンネル(昭和9年開業、L=3,147m)
⑨因美線・物見トンネル(昭和7年開業、L=3,077m)
⑩伊東線・宇佐美トンネル(昭和13年開業、L=2,919m)
⑪予讃線・夜昼トンネル(昭和14年開業、L=2,870m)


夜昼トンネル02
夜昼トンネル八幡浜口

開業から77年が経過した平成28(2016)年3月の夜昼トンネル八幡浜口。
絵葉書と同じ構図で「宇和海」がトンネルに進入する様子を撮影したいと思い、八幡浜の嫁の実家から早朝に抜け出して一人で撮影地に向かいました。しかしながら築堤は薮が深い上に線路から近過ぎるため断念せざるを得ず、無難に少し離れた位置から撮影する事にします。


夜昼トンネル04
【7:02】 宇和島行き普通列車

まず夜昼トンネルを抜けて来たのは「しまんトロッコ」仕様のキハ54。この列車は8:04に宇和島駅に到着した後は10:29発の窪川行き「しまんトロッコ2号」として利用されるんでしょうな(「しまんトロッコ」の運行日以外の扱いは不明)。


夜昼トンネル05
【7:13】 「しおかぜ10号」

続いてやって来たのは「しおかぜ」。夜昼トンネルの八幡浜側には33‰の急勾配があるので、JR四国が誇る2000系気動車と言えども苦しげなエンジン音を響かせています。なお、この日から1週間後のダイヤ改正によって宇和島駅発の「しおかぜ」の設定は無くなり、南予の特急列車は「宇和海」だけになりました。


夜昼トンネル06
夜昼トンネル 八幡浜側坑口

【夜昼トンネル】
昭和14(1939)年開業、延長2,870m
総工費150万円


夜昼トンネル03
昭和5年頃に発行された予讃線の予定ルート

ところで伊予大洲~宇和島間の予讃線には2つの候補ルートがありました。現行の八幡浜、卯之町を経由するルートと、幻の肱川沿いに坂石、下鍵山を経て近永駅で予土線に合流して宇和島に至るルートです。両ルートの沿線では大正時代から激しい誘致合戦を繰り広げられたものの、昭和8(1933)年には沿線人口に勝る卯之町ルートの採用が正式決定しています。
八幡浜までの鉄道敷設は大正時代から既に決定していたので、もし坂石ルートが採用されていたとしたら伊予大洲~八幡浜間は支線として「八幡浜線」とでも名付けられ、国鉄末期の昭和60(1980)年ごろには廃線になっていたに違いありません。それに坂石ルートだと鹿野川ダム(昭和34年竣工)によって水没旧線が生じていたかもしれず、想像するだに色々と妄想が膨らむばかりです。


夜昼トンネル07
夜昼峠への旧国道197号線から夜昼トンネル八幡浜口を見る
(平成18年11月5日撮影)

夜昼トンネルの八幡浜側坑口付近では平成28(2016)年現在、平成30(2018)年の開通を目指して八幡浜道路の八幡浜東ICが建設中です。また、大洲方面に向けては間も無く夜昼道路の新夜昼トンネルの掘削が始まる予定で、こちらは平成34(2022)年に大洲市の平野ICまで開通する予定になっています。


夜昼トンネル08
八幡浜東インター
(平成28年3月20日撮影)



夜昼トンネル09
国道197号線から千丈トンネルを見る

全長3.8kmの八幡浜道路は大半の区間が橋とトンネルで占められています。東側から予讃線と国道197号線を一跨ぎにする郷高架橋(L=220m)に千丈トンネル(L=1,890m)と松柏トンネル(L=1,090m)です。松柏トンネルを抜けると八幡浜ICで名坂道路に接続します。八幡浜道路が開通すれば大洲と保内、三崎方面の往来に、渋滞が激しい江戸岡交差点を通らなくてよくなるので、大幅な所要時間の短縮が見込まれるでしょう。


夜昼トンネル10
【7:34】 千丈駅を発車する松山行き普通列車

夜昼トンネルの坑口前で「しおかぜ・いしづち10号」を見送り、千丈駅に移動すると「みきゃん」をラッピングした普通列車が「宇和海3号」の通過待ちで停車してました。このラッピング列車は本年2月に登場したばかりなんだそうです。私が東京に移住してから誕生した「みきゃん」ですが、ここ数年でご当地マスコットとして確たる地位を確立したらしく、幹線道路に設置されている電光掲示板にも登場しています。


夜昼トンネル11
「みきゃん」が登場している電光掲示板
(五郎駅前の県道24号線にて)



夜昼トンネル12
【11:34】 喜多灘駅~串駅間を通過する「伊予灘ものがたり@双海編」

3/20()の昼前には八幡浜から松山へ。その道中の旧双海町の串駅付近で「伊予灘ものがたり」に遭遇したのでした。「伊予灘ものがたり」は昨年実施された「経済新聞 NIKKEIプラス1」の「何でもランキング お薦めの観光列車」で栄えある全国第1位を獲得したそうです。登場時(平成26年7月26日)から乗車したいと思ってたけど、2年経った今でも果たせてないままなので、今年の夏に帰省した時こそは何とかして乗車したいなあ。


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