三好橋01
【A地点】 東洋一吊橋 三好橋

原田橋の記事を書いている際に、原田橋と同様にメインケーブルの損傷が発見された為に、大規模な改造を受けるに至った吊橋があった事を思い出しました。旧国道32号線(現在は徳島県道269号・三縄停車場黒沢線)が吉野川を渡る三好橋(徳島県三好市)です。

地図


三好橋02
【A地点】 上路ローゼ橋となった現在の三好橋
【近代土木遺産Cランク】

昭和2(1927)年に完成した三好橋は高名な増田淳氏による設計の当時「東洋一」とも称される吊橋でしたが、架橋から60年が経過した昭和62(1987)年にメインケーブルの損傷が発見され、いくつかの補修方法が検討された結果、十分な強度を保っていた補剛トラスを残して吊橋から上路ローゼ橋に改造する案が採用されました。なお、昭和51(1976)年には下流側にバイパスとなる池田大橋(L=294m、上路ワーレントラス橋)が開通しており、上記の改造が行われたのは旧道化した後の出来事になります。


三好橋05
東洋一吊橋 三好橋

ところで、三好橋の紹介に際して頻りに登場する「東洋一の吊橋」を簡単にググってみて、歴代の「東洋一の吊橋」を以下に列記してみました。おそらく国内で最初の「東洋一の吊橋」となったのは山梨県の身延橋と思われます。三好橋から若戸大橋までの35年間には三好橋を超える規模の「東洋一の吊橋」が国内に建設されている可能性が高いと思いますが、私の検索では見付けられませんでした。

【身延橋】
大正12(1923)年開通:長さ232.6m、最大支間長約110mほど
【三好橋】
昭和2(1927)年開通:長さ243.5m、最大支間長139m

【若戸大橋】
昭和37(1962)年開通:長さ627m 、最大支間長367m
【関門橋】
昭和48(1973)年開通:長さ1,068m、最大支間長712m
【因島大橋】
昭和58(1983)年開通:長さ1,270m、最大支間長770m

この後は大鳴門橋や南北備讃瀬戸大橋等の本四架橋の吊橋が短期間に東洋一を更新し、現在では明石海峡大橋(長さ3,911m、最大支間長1,991m)が「世界一の吊橋」の座に君臨しています。


三好橋11
吊橋のメインケーブルの一部

右岸側(中西側)の三好橋の袂には、吊橋時代のメインケーブル等が案内板と共にモニュメントとして展示されていました。
三好橋の変遷

三好橋は昭和2年5月完成(橋長243.49m、巾員6.1m)で当時は当時は東洋一の吊橋といわれ脚光を浴びた。以来、四国4県の交通の要衝として重要な役目を果たしてきたが、昭和62年6月ケーブルの一部が腐食し危険となったため、補修補強工事に着手。平成元年8月ローゼ橋として生まれかわった。旧橋の姿を後世に伝えるため、全景、ケーブル、ケーブルバンドをモニュメントとして残すこととしたものである。

(現地の案内板より)



三好橋03
【A地点】 三好橋開通式当日の賑ひ
(昭和2年5月)






三好橋06
【A地点】 吊橋時代の三好橋



三好橋07
【B地点】 ローゼ橋に改造された現在の三好橋

土木学会の近代土木遺産(2000選)によると、補剛トラスが残った現状で近代土木遺産Cランクに指定されており、「吊橋として残っていればAクラス」と注記されています。





三好橋08
【A地点】 現在の三好橋

吊橋としての姿は失われてしまった三好橋ですが、橋上を歩いて観察すると所々に吊橋時代の遺構が残ってるのが確認できました。


三好橋09
吊橋の主塔跡



三好橋10
吊橋のメインケーブル定着部






三好橋12
三好橋ヨリ下流ヲ望ム
(「白地の渡し」跡)

三好橋の架橋以前には現在の池田大橋が架かっている付近に「白地の渡し」と言う県営渡船場がありました。この絵葉書を見ると右岸側には渡船場へ下りて行く道の姿をはっきりと確認できます。国道(明治国道32号、大正国道23号)だった「白地の渡し」では「大具の渡し」(現在の三好大橋)と共に車や馬車も乗船できる岡田式渡船が利用されていたとの事です。


三好橋13
「白地の渡し」跡と「池田大橋」と「池田へそっ湖大橋」

現在の「白地の渡し」は廃止から長い年月が流れている事に加え、池田ダムの完成による水面の上昇もあって渡船場の跡地は判然としませんでした。

【池田大橋】
国道32号線
昭和51(1976)年開通、延長294m、幅員7.5m

【池田へそっ湖大橋】
徳島自動車道
平成12(2000)年開通、延長705m、幅員10.4m(暫定2車線)


三好橋04
徳島縣白地渡舟場ヨリ三好橋ヲ望ム






三好橋14
【B地点】 左岸側(白地側)から見た三好橋



三好橋15
【B地点】 白地交差点

かつては国道32号・192号の重複区間(高松、徳島方面)と国道32号(高知方面)、国道192号(川之江方面)との丁字路交差点だった三好橋西詰の白地交差点。高知方面から三好橋に向けては現在でも右折レーンが普通車3台分ぐらいしか確保されていないので、池田大橋が開通するまではさぞかし混雑するポイントだったに違いありません。





三好橋16
三好橋周辺地図
(赤点線部分が池田大橋によるバイパス道路)

三好橋のバイパスである池田大橋の取付道路は旧三好郡池田町が四国四県いずれの県庁所在地にも繋がる交通の要衝である事を考慮して、四国では初となるトランペット型インターチェンジが採用されました。下道のトランペット型インターは現在でも珍しい存在だと思います。


三好橋17
【C地点】 国道192号線と池田大橋への分岐点



三好橋18
【D地点】 池田大橋のインターチェンジ



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