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板谷駅01
板谷駅周辺地図

明治32(1899)年に開通した奥羽本線の福島~山形県境(板谷峠越え)は33‰の急勾配と半径300mの急カーブが連続する難所で、かつては峠越えの4駅(赤岩~板谷~峠~大沢)が連続してスイッチバック駅になっていました。これらの駅でのスイッチバックは山形新幹線の開業により平成2(1990)年に全廃されましたが、山形新幹線にとっても板谷峠越えが難所である事には変わりなく、山形新幹線の高速化の一環として庭坂~関根間に延長21.9kmの新板谷トンネル(こんな感じ)の建設が検討されており、この新線が開通すれば上記の旧スイッチバック4駅は廃止され一大廃線(旧線)が生じる事になります。


板谷駅02
旧板谷駅舎

板谷駅の駅前道路(県道232号板谷米沢停車場線)に面しているのはスイッチバック時代の旧駅舎と旧ホーム。現在のホームは本線上に移設されている為、旧ホームへの引込線(ミニ廃線)を通って本線まで歩いて行かなければなりません。


板谷駅03
板谷駅の案内図



板谷駅04
平成2年まで使用されていたスイッチバック時代の旧ホーム



板谷駅05
旧ホームから本線(現在のホーム)を見る

旧ホームに向けて1番線と2番線にそれぞれ上り下り方面への計4つの出発信号が残っていました。線路脇の舗装されている部分が現在のホームへの通路です。スノーシェッドで見えにくいですが、この引込線の上を県道232号線の跨線橋が横切っています。


板谷駅06
スノーシェッドに覆われている現在の板谷駅



板谷駅07
現在の板谷駅から旧ホームへの分岐を見る

せっかくだから板谷駅を通過する「つばさ」を撮りたかったけど、この時は栗子隧道から大峠隧道への移動中の寄り道だった為、時間に余裕がなく断念せざるを得ませんでした。


板谷駅08
山形新幹線「つばさ」





板谷駅09
【A地点】 板谷駅の駅前通り

次は県道232号線の板谷峠を越えて、板谷駅の隣の峠駅に向かいます。県道232号線は今でこそ交通需要の少ない険道に過ぎませんが、藩政時代から明治14(1881)年に旧国道13号線の栗子隧道が開通するまで幹線だった米沢街道を元にしている歴史ある道です。


板谷駅10
【B地点】 峠駅への分岐

板谷駅から1~1.5車線の県道232号線を進むと左手に峠駅、姥湯温泉、滑川温泉への市道が分かれます。これらの温泉観光地が控えている為か、ここまでの県道232号はこの手の険道としては交通量が多めでした(ついでに言うと山道に慣れてない運転が下手な車が多かった)。上記の分岐点付近には忠臣蔵の不忠臣として知られている「大野九郎兵衛」の異説に基づく供養碑があるそうです。


板谷駅11
供養碑の案内板

赤穂浅野家の家老大野九郎兵衛は、赤穂城明け渡しのあと、大石内蔵助と謀り、大石等が吉良邸討ち入りで万一吉良を討ちもらした場合、彼は上杉綱憲(吉良上野介義央の長男)を頼って米沢に逃げるであろうと考え、米沢領の入口板谷峠で吉良を討ち取るため第二陣の構えをとりました。元禄十五年十二月十四日大石等四十七士が本懐を遂げたとの知らせを聞いて、翌十六年の早春大野九郎兵衛は、ここ馬場平で切腹し、亡君浅野内匠頭長矩の後を追ったと言い伝えられております。

(米沢市の案内板より)



板谷駅12
【C地点】 板谷峠

有名な板谷峠は大沢、米沢方面に抜けられる県道232号線上ではなく峠駅に向かう行止りの市道にあります。現在「米沢街道」を名乗っている県道232号線は車道化の際に一部ルート変更されたもので、元々の米沢街道はこの市道の板谷峠を越えて峠駅付近から羽黒川の谷を下っていたのではないでしょうか。


板谷駅13
板谷駅~峠駅周辺地図



板谷駅14
【D地点】 峠駅への入口
峠の茶屋・江川と峠の力餅の看板が立っている



板谷駅15
【E地点】 峠駅前

次回は秘境駅としても有名な「峠駅」を紹介します。


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