草津川隧道01
近江草津町 警察署ト隧道
(戦前絵葉書より)

今回の「この場所は今…」シリーズでは今夏の松山帰省から立川への帰路に立ち寄った滋賀県草津市の草津川隧道をご紹介。道路趣味者の間では知られた明治19(1886)年に竣工した旧国道1号線(中仙道)の天井川隧道です。
絵葉書手前に写っている煉瓦建物は明治20(1887)年に東海道と中山道の追分(草津川隧道南口)に建造された洋風煉瓦造りの草津警察署。昭和29(1954)年に草津警察署が現在地に移転するまで警察署として使用され、その後は商工会事務所等に転用されたものの昭和56(1981)年には解体撤去となり明治20年以来約100年の歴史に幕を閉じています。草津警察署の跡地には現在は草津市民センターが建てられました。

【(旧)草津川隧道】
明治19年竣工
延長約50m、幅員-m、制限高2.9m
総工費8,736円


草津川隧道02
現在の草津川隧道

現在の草津川隧道は昭和39(1964)年に拡幅改修を受け近代的なボックスカルバート型トンネルに生まれ変わりました。草津川隧道の立地は東海道(現在の国道1号線)と中山道(現在の国道8号線)が合わさる交通の要所であるが故に隧道の改修に先立つ昭和11(1936)年には、草津川隧道が通っている旧中山道の東方に現在の国道1号線である(新)草津川隧道が開通しています。


草津川隧道03
昭和39(1964)年の草津川隧道
(現地の案内板より)



草津川隧道04
草津川隧道南口に建立されている文化13年製の大灯篭(道標)
「左 中仙道美のじ 右 東海道いせみち」

市指定文化財 道標

ここはかつての日本五街道の最幹線で東海道と中仙道との分岐点である。トンネルのできるまではこの上の川を越せば中仙道へ、右へ曲がれば東海道伊勢路へ行けた。しかしこの地は草津宿のほぼ中心地で、この付近は追分とも言われ、高札場もあって旅人にとっては大切な目安でもあった。多くの旅人が道に迷わぬよう、また旅の安全を祈って文化十三年(一八一六)江戸大阪をはじめ、全国の問屋筋の人々の寄進によって建立されたもので高さは一丈四尺七寸(四・四五メートル)で、火袋以上は銅製の立派な大灯篭であり、火袋以上は、たびたびの風害によって取り替えられたが、宿場の名残りの少ない中にあって、常夜灯だけは今もかつての草津宿の名残をとどめている。

(草津市教育委員会の案内板より)



草津川隧道05
大灯篭の片隅に保存されている改修前の草津川隧道の扁額



草津川隧道06
草津川隧道内から旧東海道と旧中仙道の分岐を見る

旧東海道と旧中仙道が分岐していた草津追分には旧草津町(昭和29年から草津市)の道路元標が建立されていました。この地は道路元標の設置要件(市町村役場前、あるいは主要な施設や交差点)を考えると設置場所としてはこれ以上ない立地と言えるでしょう。


草津川隧道07
草津町道路元標



草津川隧道08
草津川隧道の上部を通っていた草津川跡

草津川隧道の上部を通っていた天井川としての(旧)草津川は、南方に新たに(新)草津川が開削されたため2000年頃に廃川となっており一部が道路や公園等に転用されていました。今後の旧草津川の扱いによっては新旧の草津川隧道も撤去の対象になるかもしれません。


草津川隧道09
(新)草津川隧道 京都側坑口

昭和11(1936)年に開通した(新)草津川隧道は開通当初は上下1車線ずつの対面通行でしたが、昭和46(1971)年には増加の一途を辿る交通量に対応すべく東側に上り線専用の第二草津川トンネルが開通した為、現在は下り線専用のトンネルとして使用されています。ところで、この(新)草津川隧道は10年前に来た時は歩行者・自転車の通行は禁止だったはずだけど現在では解禁なっているようです。

【(新)草津川隧道】
昭和11年竣工
延長53.1m、幅員8.0m、高さ4.3m
近代土木遺産Bランク


草津川隧道10
(新)草津川隧道の扁額



草津川隧道11
第二草津川トンネルと(新)草津川隧道
(彦根側坑口)



草津川隧道12
草津川隧道周辺地図



草津川隧道13
旧草津川トンネル

明治22(1889)年に開通した東海道本線にも草津川を潜る天井川トンネルがあって、こちらでは複々線の現役トンネル4本と旧トンネル2本の計6本のトンネルが並んで口を開けているという全国的にも珍しい光景を目にする事ができますよ。

>>次は野洲市の家棟隧道に続きます


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