僧都橋01
伊予 僧都橋
(戦前絵葉書より)

愛媛県南宇和郡愛南町の僧都川に架かっていた旧国道56号線(当時は県道宇和島宿毛線)の僧都橋。この橋が既に失われて久しい事は愛媛に住んでた頃から知っていましたが、今年の帰省時に絵葉書との比較写真を撮ってきました。


僧都橋02
上記絵葉書と同位置から撮影した僧都橋跡

僧都橋が初めて架けられたのは明治30(1897)年、延長79mの木橋であったそうです。架橋後には幾度かの洪水によって流失しており、その度に新たな「僧都橋」に架け換えられています。昭和28(1953)年に50mほど上流に後継の城辺橋が完成したため僧都橋は廃橋となりました。なお、城辺橋も昭和51(1976)年に国道56号線・城辺御荘バイパスが開通した事により旧道化(県道295号長月城辺線)しています。

【僧都橋】
明治30年竣工、延長79m、幅員-m
木造橋


僧都橋04
僧都橋跡(東詰から)

僧都橋が架かっていた跡地には東西からそれぞれ短い取付旧道が残っていましたが、橋自体の遺構は何一つとして残ってなく東詰に親柱と見られる1基の里程標が立っているのみ。


僧都橋03
親柱

親柱に刻まれている文字は「大正十年六月架換」、「平城へ二十二丁」というもの。僧都橋は大正9(1920)年7月に洪水により流失したという記録があり、翌大正10年6月に架け替えられたのは災害からの復旧とみられます。
次に平城(戦前~戦後にかけて旧御荘町役場が置かれていた)への距離二十二丁(2,398m)については、僧都橋からだと平城まで多めに見積もったとしても1,300m程しかありません。この事から僧都橋跡地の親柱は実際には僧都川上流に架かっていた緑橋(旧県道46号線)の親柱が洪水によって当地まで流されてきた物であるとの説もあるようです。しかし、緑橋からだと平城の旧御荘町役場まで約4km、平城の入口である旧城辺~旧御荘の町境までだとしても約3kmあり、これまた親柱の距離とは一致しないのです。

大正9年(1920)7月2日、集中豪雨のため、蓮乗寺川は氾濫し、僧都川は至る所で堤防が決壊し、田畑を押し流し、人家を襲った。また、海岸地帯では各所でがけ崩れが起こり、特に大浜では山津波となった。この山津波のため、死者3人を出した。
四国災害アーカイブスより

1920年08月00日 市町村愛媛県愛南町(御荘町)災害種類風水害 概要大正9年(1920)8月、豪雨による大洪水のため僧都川が氾濫し、観栄橋を含むほとんどの橋が流された。城辺でぎおん祭りの斗牛がひらかれていたが、集まっていた人たちが帰るのに、橋が流されて困ったということから、いかに急な洪水であったかが分かる。郡内各地で大きな被害を受けたが、御荘でも家屋の流失6戸、浸水173戸、田畑の流失約9ha、道路堤防の破壊121箇所に及び、復旧に数年もかかる大被害を受けた。
四国災害アーカイブスより


僧都橋19
平城~僧都橋~緑橋
昭和11年発行「宿毛」(1:50000地形図)



僧都橋20
上記旧版地形図と同範囲内の現行地図

せっかくだから最後に城辺御荘バイパスによって旧道化した愛南町内の旧国道56号線を西側から簡単に紹介して終わりにします。




僧都橋06
【A地点】 旧国道56号線と県道297号線の交差点
(平成13年1月28日撮影)

旧国道56号線と県道297号線(久良城辺線)との分岐には白看が設置されていました(10年以上前に撤去済)。
行き先は「宿毛22km(修正有)、宇和島42km、宇和海海中公園10km」。道路時刻表に記載された宿毛~宇和島間は63.2kmなので白看の距離とほとんど変わりません。ちなみにこの交差点こそ御荘村の道路元表が設置されていた「大字平城字新町懸道ト郡道ノ分岐点」です。


僧都橋07
「↑宿毛22km ・ 宇和海海中公園10km→」



僧都橋08
「←宇和海海中公園10km ・ ↑宇和島42km」





僧都橋09
【B地点】 旧御荘町役場前

御荘町役場(現在は愛南町役場御荘支所)を指す白看風の古い標識も愛南町の誕生によって撤去されています。




僧都橋10
【C地点】 御荘・城辺境の町名標識も撤去済



僧都橋11
御荘町



僧都橋12
城辺町





僧都橋05
城辺橋
(昭和28年完成)

僧都橋に取って代わった城辺橋は10年ほど前に歩道の増設、欄干の取換等の大規模な改修が行われた為、経年相応の古橋らしい趣きを失ってしまいました。




僧都橋13
【D地点】 城辺バスセンター前

地域の路線バスに加えて長距離高速バスも多数発着している城辺バスセンターこと城辺駅。「城辺駅」の標識は平成26年8月の訪問時にも健在でした。


僧都橋14
「バスターミナル城辺駅」



僧都橋15
国道標識を撤去した物と見られる地名の補助標識
「城辺町 矢野」





僧都橋16
城辺町遠望
(戦前絵葉書より)





鯛めし07
【E地点】 黒潮 海閤

旧道の終点(蓮乗寺交差点)付近で営業している「黒潮 海閤」は地元の魚介を使った魚料理を供する人気店。昼間には日替わりランチもやってて愛媛時代にはよく来たもんです。今回の帰省でも「昼食は是非ここで」と考えていたけど、駐車場が一杯だった上に店の外にまで待っている人がいたので時間の都合により断念しました。来年こそは再訪して酒でも並ながらゆっくりと食事をしたいと思います。



僧都橋18
特選日替わり昼御膳(780円)



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