屋島ケーブル01
屋島ケーブルカー
(戦前絵葉書)

屋島ケーブル(香川県高松市)は戦前の屋島観光開発の要として昭和4(1929)年に開業しました。全国各地の多くのケーブルカー(こことかここ)と同様に昭和19(1941)年には戦時中の不要不急線として休止に追い込まれましたが、昭和25(1950)年には営業を再開し、この時に導入された車両2両(源平合戦にちなんだ義経号と辨慶号)が平成16(2004)年に休止(翌平成17年に正式に廃止)となるまで54年間に渡って使用される事になります。営業を再開した屋島ケーブルは戦後の観光ブームの波に乗って順調に客足を伸ばし、昭和35(1960)年には最盛期を迎え年間乗客数が200万人にも達しました。しかし、昭和36(1961)年に屋島ドライブウェイが開通するとケーブルカーの利用客は減少に転じます。その後、屋島観光自体が衰退した事もあって、廃止の前年である平成15(2003)年の年間乗客数は5万5千人(最盛期の約40分の1!)にまで減少していたそうです。


屋島ケーブル02
屋島登山口駅跡

屋島ケーブルが休止になってから今年でちょうど10年目を迎えます。屋島登山口駅には廃止後も長らく駅舎が残っていたはずなのですが、8/18に訪れた時には跡形もなく撤去されてプラットホームが剥き出しになっていました。帰宅後にググってみると、どうやら今年の7月に解体されてしまったようです。在りし日の駅舎の姿は平成18(2006)年に訪問されたマフ巻さんのとこに載ってますよ。

地図


屋島ケーブル03
屋島登山口駅に留置されている義経号と辨慶号

屋島登山口駅には義経号と辨慶号とが近接して留置されていて、まるで2両編成の列車のように見えます。後部の辨慶号は廃線当初は屋島山上駅に留置していたものの、災害時に滑落する恐れがあるとの事で去年(平成25年)1月に屋島登山口駅まで引き下ろされたんだとか。それにしても休止から10年間放置されているとは言え2車両とも老朽化が著しく、「よくもまあこんな車両が10年前まで運行されてたもんだ」というのが率直な感想です。


屋島ケーブル04

義経号の車内には「ありがとう」と書かれたケーブルカーのイラストが残っていました。このイラストの作者も今では中学生ぐらいに成長しているんだろうな。


屋島ケーブル05
駅の片隅に残っていた時刻表

この時刻表によると屋島ケーブルは8時~18時15分まで毎時15分・35分・55分に登山口駅と山上駅から同時発車して、中間の交換所で行き違いしていたようです。全長860mでの高低差は265mありました。運賃は片道700円、往復1,300円と少し高めに感じます。


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屋島登山口駅の駅名標



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辨慶号と屋島登山口駅



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屋島登山口駅から屋島山上駅方面を見る
出発信号が残っている



屋島ケーブル09
屋島ケーブル周辺地図

炎天下の中では高低差265mのケーブルカー跡を歩く気にはならないので、屋島ケーブルを廃止に追いやった一因である屋島ドライブウェイを利用して屋島山上駅に向かう事にします。ちなみに屋島山上へは屋島ドライブウェイの他にも県道14号・屋島公園線でも行けますよ。大半の区間が自動車の通行が不可能な登山道だけど…。


屋島ケーブル10
屋島ドライブウェイの料金所

屋島ドライブウェイの通行料金は630円。屋島ケーブルが1人往復1,300円もかかっていた事を考えると、自動車全盛の時代にあっては太刀打ちできないのは明白。むしろドライブウェイ開通後も40年以上ケーブルカーが残っていた事の方が驚きです。


屋島ケーブル11
屋島ドライブウェイから見た屋島古戦場

屋島の対岸の五剣山では現在も八栗寺への八栗ケーブルが営業しています。


屋島ケーブル12
屋島合戦と言えば那須与一



屋島ケーブル13
ミステリーゾーンの予告標識

屋島ドライブウェイの名物「ミステリーゾーン」は実際には登り坂なのに目の錯覚(縦断勾配錯視)により下り坂に見えるというもの。


屋島ケーブル14
屋島隧道 東口

屋島隧道で屋島の尾根を潜って東岸から西岸に回り込むと終点の山上駐車場まであと僅か。屋島隧道の銘板によると昭和35年1月起工・昭和35年9月竣工との事(延長、幅員等は記載されてないので不明)。


屋島ケーブル15
開通から間もない頃の屋島隧道西口



屋島ケーブル16
現在の屋島隧道西口



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屋島山上駅舎
【近代土木遺産Cランク】

山上駐車場から10分ほど歩くと屋島山上駅に到着。幸いな事にこちらの駅舎は手付かずのまま残っていました。昭和4(1929)年の開業当時からの建造物で近代土木遺産にも指定されています。

地図

屋島ケーブル18
屋島山上駅



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屋島山上駅のプラットホーム

さすがに駅舎は厳重に施錠されていましたが、ホームには外側の隙間からも下りる事ができます。駅を出るとすぐトンネル(以下:屋島トンネル)になっている上に背後には駅舎が健在な為、登山口駅に駅に比べると日当たりが悪く陰鬱な雰囲気が漂っていました。あまり下ると戻って来るのが大変なのでトンネルだけ確認しておく事にします。


屋島ケーブル20
屋島山上駅の駅名標



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屋島トンネル 山上側坑口



屋島ケーブル22
屋島トンネル内から登山口方面を見る
(戦前絵葉書)



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屋島トンネル内から登山口方面を見る



屋島ケーブル24
屋島トンネル 登山口側坑口

こちら側の坑門は架線柱と一体になった構造になっていますが、上記の戦前絵葉書を見るとこの架線柱は鉄製なので、登山口側の坑門が現在の姿になったのは坑門の補強も兼ねた後年の改修によるものではないでしょうか。


屋島ケーブル25
屋島名物「いいだこおでん」の看板

私が子どもの頃には多くの店が軒を連ねていた屋島山上の土産物屋も現在では屋島ドライブウェイが経営する1件のみ。当時食べた「いいだこおでん」の味が忘れられなくて、今回の訪問では久しぶりに食べてみたいと思っていましたが、残念ながら1件だけ残った土産物屋には「いいだこおでん」は見られませんでした。単に時期外れだっただけかもしれないけど。


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