現在の大栃橋(高知県香美市)
「大栃橋」は高知県香美郡槇山村(昭和31年:上韮生村と合併して物部村。平成18年:土佐山田町、香北町と合併して香美市となった。)の物部川に架かる橋です。
路線としては大正9(1920)年に高知県道・山田槇山線に指定され、昭和10(1935)年には国鉄バスが大栃まで乗り入れを開始しています。この頃に大栃橋は上記の木橋から永久橋(RC橋)に掛け替えられたものと見られます。
戦後になると槇山村内に永瀬ダム(昭和24年着工、同31年竣工)の建設が始まり、大栃橋を含む県道が水没となる事から付替道路の一部としてダム湖上に現在の橋が架けられました。
なお、県道・山田大栃線(山田槇山線から改称)は長瀬ダムが建設中の昭和28(1953)年に二級国道・高知木頭徳島線(195号線)に昇格しています。
大栃橋(対岸が大栃集落)
大栃橋の歴史を紐解くと初代の大栃橋は遥か700年も昔、鎌倉時代に架けられた「かずら橋」にまで遡るそうです。
この「かずら橋」には架橋に当たって乳飲み子を人柱にしたという伝説があって、現橋の西詰には「大栃葛橋記念碑」と共に関係者を祀った供養塔が建立されていました。
【大栃橋】
昭和30年竣工、延長181m、幅員5.5m
大栃橋周辺地図
永瀬ダムによる付け替え前の旧国道は物部川に沿った、現在の県道220号線(蕨野大比線)の経路を通っていました。川沿いから峰越え(臼杵トンネル)に移った付替国道には二つの隧道がありましたが、断面不足と老朽化によりいずれも廃道になっています(以前の記事)。
臼杵隧道
廃止後は倉庫に転用されていた
【臼杵隧道】
昭和27年竣工、延長170.0m、幅員4.6m
昭和62年廃止
大比隧道
廃止後は両坑口ともコンクリートで塞がれた
【大比隧道】
昭和30年竣工、延長128.0m、幅員5.0m
平成元年廃止
旧国道195号線
永瀬ダムによって大栃集落も台地上に移転しています。この集落内の中心部に位置する旧国道195号線と旧県道49号線との交差点(旧物部村役場前)には白看が残っていました。
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