
駒ヶ滝隧道地図
二瀬ダム(秩父市大滝)傍の国道140号線にあった駒ヶ滝隧道が、今年の夏に新道(秩父湖大橋)の開通により封鎖されていたという事を最近になってネットニュースの過去ログ等で知ったので、遅ればせながら11月19日に廃止前との定点撮影に行ってきました。

【A地点】 国道140号線・落合橋交差点
写真は秩父市大滝で大滝道路(新道)と秩父往還(旧道)が分かれる落合橋交差点。青看では右折の大滝道路のみ甲府方面への国道140号として表示されていますが、実際には大滝道路の全通から15年以上経った今でも左折する旧道も国道140号に指定されたままです。駒ヶ滝隧道旧道である秩父往還上にあります。
【地図】

国道140号線の新旧道

【B地点】 秩父市大滝
落合橋交差点から間もない旧道の様子。前述の通り旧道も2013年11月現在、国道指定されたままなので国道140号の標識も普通に立っています。

【C地点】 駒ヶ滝トンネルまで2㎞
旧道上には駒ヶ滝隧道までのカウントダウン看板が3㎞、2㎞と立ってましたが、当然ながらこれらの看板はトンネル廃止後には撤去されていました。

【D地点】 二瀬ダムの高さ分を稼ぐ2連ヘアピンカーブ
旧道も大滝道路が開通する平成10(1998)年までの間に一定の整備が行われたと見え、落合橋交差点から駒ヶ滝隧道までのほぼ全線が2車線幅に整備されています。

三峰神社への青看(廃止前)

三峰神社への青看(廃止後)
ここからが駒ヶ滝隧道の廃止前と廃止後を比較した定点撮影となります。廃止前は平成23年9月16日、廃止後は平成25年11月19日の撮影となります。
まずは青看に注目。廃止前の青看には三峰神社への隧道内分岐が反映されていましたが、隧道が廃止となった今では実態に即した表示に更新済。ちなみに写真右側に完成した灰色のビルは、新道建設に伴い駒ヶ滝隧道三峰口から移転してきた二瀬ダム管理所です。

隧道前の信号機(廃止前)

隧道前の信号機跡(廃止後)
駒ヶ滝隧道は幅員が3.0mと狭いため離合が出来ない上に、洞内から三峰神社へのアクセス路である県道278号線(秩父多摩甲斐国立公園三峰線)が分岐・合流していた事から、待ち時間5分ともいわれる信号機による交互通行が行われていました。

駒ヶ滝隧道 大滝側坑口(廃止前)
大滝側の坑門は谷積みの石垣ポータルと坑口の狭さが相俟って実年齢以上に古く見えますが、隣接する二瀬ダムの工事用道路として昭和30(1955)年に完成しています。入口に設置された青看には坑口から170m先の洞内分岐が案内されていました。
【駒ヶ滝隧道】
昭和32年竣工
延長395.0m、幅員3.2m、高さ3.3m

駒ヶ滝隧道へ進入する観光バス

駒ヶ滝隧道 大滝側坑口(廃止後)
ネット上の画像を見たところ廃止後の隧道は、当初は容易に乗り越えられる簡易なゲートでのみ塞がれていたようですが、ここ数ヶ月のうちに金網が張られ侵入は不可能になっていました。洞内探索を行うつもりで灯りも用意してきたというのに残念。
不幸中の幸いと言う訳ではありませんが、コンクリ等による半恒久的な封鎖ではないので、経年劣化によって金網に綻びが生じるのを待つ事としましょう。

大滝側坑口から洞内を見る(廃止前)
駒ヶ滝隧道が建設された目的はダムサイト付近の急峻な断崖を迂回する事にあったので、地中に突っ込む両端の坑口付近では直角に近い急カーブとなっていました。新道はこの険しい断崖を桟橋(秩父湖大橋)によってクリアしています。

秩父湖大橋東詰(開通前)

秩父湖大橋東詰(開通後)
駒ヶ滝隧道を迂回する崖沿いには秩父湖大橋が開通する前から、短いトンネル(二瀬隧道、昭和57年開通)を抜ける遊歩道が通っていました。この遊歩道は自転車・歩行者の通行が禁止されていた駒ヶ滝隧道の歩道として建設された物と見られ、秩父湖大橋にも歩道が併設されてない事から、引き続き国道140号線(駒ヶ滝隧道→秩父湖大橋)の歩道として利用されているようです。

二瀬隧道
(昭和57年竣工、L=40.0m)
【地図】

かつては洞内分岐だった二瀬ダム交差点
以後、後編に続きます。
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