
天城山隧道
(深夜の天城山隧道はこんな感じ)
昨夜は職場の先輩と言うか上司が唐突に肝試しに行こうとか言い出したので、平均年齢37歳の良い歳した大人3人で丑三つ時の天城山隧道(静岡県伊豆市~賀茂郡河津町)へ行って来ました。
天城山隧道(旧天城トンネル)と言えば川端康成の「伊豆の踊子」等の舞台として有名な観光地である為、旧トンネルとしては例外的に多くの人が観光に訪れています。また、都会から程近い立地が影響して心霊スポットとしても名高く、深夜には我々のような招かれざる客が来訪する事も少なくないとの事です。

【A地点】 伊豆市側の旧道分岐
天城山隧道の開通は明治38(1905)年。バイパスである新天城トンネルは「新天城トンネル有料道路」として昭和45(1970)年に開通しました(平成12年に無料解放)。前述の通り旧道の方も観光道路としての需要がある為、伊豆市側の新旧分岐点(天城大橋手前)には「天城トンネル」を指した大きな案内看板が設置されていました。
※今回の記事の写真は平成20年2月2日に撮影したものを使用してます。

【A地点】 伊豆市側の旧道入口
桐山~梨本間の旧道区間は連続雨量150mmで通行止になる

【B地点】 白橋(しらはし)
伊豆市側の旧道は全区間が未舗装のまま残っているので旧街道としての趣きは抜群ですが、時期によっては路面に深い雨裂が刻まれるため走行には注意を要します。本谷川に架かる白橋は昭和36(1961)年3月の竣工、国道414号線が誕生する前の主要地方道・修善寺下田線時代に架けられた物です。

【C地点】 未舗装の旧道
最新の地形図、道路地図でも旧道の方も国道414号線として描かれています。もし、この国道指定が本当だとすると天城山隧道の旧道区間は近年では極希少になった未舗装国道という事になるのですが、残念ながら国道標識等は設置されていません。

観光客で賑わう天城山隧道
(伊豆市側坑口)
天城山隧道についての詳細については、坑口前に案内板が立っていたので以下に内容を転載しておきます。
この隧道(トンネル)は下田街道の改良工事の一環として、明治三十四年(一九○一)に貫通、同三十七年に完成した。
全長四四五.五メートル、幅員四.一メートル、トンネル両端の坑門及び内部全体が切石積で造られ、川端康成の小説「伊豆の踊子」をはじめ多くの文学作品に登場するトンネルとして広く親しまれている。
平成十三年六月十五日、わが国に現存する石造道路隧道の中で、最大長を有する土木構造物で、技術的完成度が高く、明治期を代表する隧道であるとして、道路隧道としては全国で初めて重要文化財に指定された。
平成十三年十二月建立
静岡県

伊豆湯ヶ島温泉名所 天城山トンネルと八丁の池登山口

現在の天城山隧道
【近代土木遺産Aランク】
天城山隧道(田方郡天城湯ヶ島町~加茂郡河津町)-天城湯ヶ島町と河津町をつなぐトンネルである。陸の孤島を嘆く南伊豆の人達の熱い思いによって、総工費10万3,016円の巨費を投じて明治38(1905)年に開通した。地元河津村では1万2,361円余(実際には郡費補助の名目で賀茂郡が支出)を負担した。さらにトンネルまでの道路工事費も1万円余を負担した。
このトンネルの完成によって北伊豆と南伊豆の距離は一挙に短縮し、難所の天城越えは解消した。
沼津土木事務所

伊豆市側の扁額

総切石積の隧道内部

天城山隧道 河津町側坑口
【天城山隧道】
明治38(1905)年竣工
延長446.0m、幅員3.7m、高さ4.0m(制限高3.5m)

河津町側の扁額

【D地点】 寒天橋
河津側へ少し下ると寒天橋付近からアスファルト舗装が始まります。これは寒天橋から分岐する寒天林道が八丁池へのアクセス路になっていて路線バスも通る為でしょう。

【E地点】 分岐点
さらに下ると青看付きの分岐点。
「←下田、↑国道414号」となっていますが、左折すると下田方面への未舗装旧道をあと2km楽しめるだけで、下田へは直進して国道414号線に出た方が圧倒的に早く到着できますよ。

【E地点】 分岐点
左が天城山隧道、右が下田方面、手前は新天城トンネル

新天城トンネル 伊豆市側坑口
有料道路時代の通行料金は「普通車200円、小型乗用200円、小型貨物200円、軽自動車100円、自動二輪100円」(昭和52年)でした。
【新天城トンネル】
昭和45年3月竣工、延長800.0m

開通から間もない頃の新天城トンネル

河津七滝ループ橋
(正式名称は七滝高架橋)
天城トンネルの南には、もう一つの伊豆の観光名所「河津七滝ループ橋」があります。昭和53(1978)年に発生した伊豆大島近海地震によって大きな被害を受けた旧道に代わって建設された新道です。このループ橋の旧道(廃道)は相互リンク先の「そうだ、遠くへ逝こう」で紹介されてますよ。

河津七滝ループ橋 完成記念乗車券(東海バス)
踊り子で知られる伊豆湯ヶ野から天城道路を登り川合野部落をすぎたあたりに、 原生林がつづく天城の山なみとは対象的な超近代的なループ橋が完成しこの(昭和56年)3月29日に供用開始となりました。 このループ橋は直径80メートル、幅8メートルの二車線、2階建て比高差70メートル。 取付け道路を含めて延長約1.1キロメートルの文字どおり我が国の土木工法の粋を集めた、 日本一の規模のループ橋です。当社ではこのループ橋の完成に当り、記念乗車券を発行いたしました。

天城山隧道周辺地図
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