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地芳道路1


先日、国土交通省から「経済効果が低いと見られる直轄国道18路線の21年度事業の一時凍結が発表されました。18路線のうち、愛媛県では久万高原町と高知県梼原町を結ぶ国道440号線・地芳道路が対象となっています。
何でも判断基準である「効果をコストで割った数値」が0.52と、効果が費用を大幅に下回っているそうです。「無駄な道路を造り続けている」と至極もっともな批判を受けての事で、このご時世やむを得ない処置なんでしょうな。まあ、あくまで「21年度事業の一時凍結」なのでいずれは開通するでしょう。と言うか地芳道路は全長8.9kmで去年までに内4.6kmが開通していて、残る県境の地芳トンネルもかなり工事が進んでいる事から、ここまで建設した道路を未成道路にしてしまうのは、それはそれで問題な気が…。ちなみに地芳道路の旧道は23.5kmもあるので、新道が開通すると半分以下に短縮されます。

今回は一時凍結の是非は置いといて、この地芳道路について紹介してみたいと思います。
なお、写真は全て平成19年5月に撮影した物を使用してます。


地芳道路2
【A地点】 本村橋から建設中の地芳道路を見る

地芳道路の終点に当たる梼原町下本村地区。ここには「地芳道路(永野~下本村間)平成19年度末完成目標」と書かれた看板が立っていて急ピッチで工事が進行中でした。当区間1.6kmは目標通り平成19年11月4日に開通し、26年も前(昭和56年)に開通していた田野々のバイパス(写真手前側)と接続しました。


地芳道路3
【A地点】 下本村の旧道

旧道区間に立っていた国道標識、補助標識には「地芳峠12km」と峠までの距離が書いてます。ここは地芳峠への入口とも言うべき場所で、私はこの標識を見るたびに少なからず緊張してましたが、それも過去の話となりました。


地芳道路4
【B地点】 建設中の広瀬橋

永野川と旧国道を一跨ぎにする広瀬橋(L=105.5m)。旧道は30m近くも下の谷底を通っています。


地芳道路5
【B地点】 北浦橋

井の谷川に架かる北浦橋(L=116.6m)。
新道が一定の勾配(平均4%)で登るのに対し、旧道はこの橋の真下を3つのヘアピンカーブで一気に標高を稼ぐ為、見通しが悪く狭い道幅に急勾配(8%)と典型的な酷道です。
この橋を渡ると下本村からの平成19年開通区間は終わり、平成18年に開通していた井の谷工区(1.3km)に接続します。
ところで、今回の凍結措置は整備計画のコスト削減により、効果が費用を上回ることが出来れば事業再開も可能らしいですが、地芳道路の中で削れる部分があったとしたらこの界隈が一番可能性があったんじゃないかという気がします。ここまで建設して今さら計画の見直しは無理でしょうし、何せ0.52なのではっきり言ってコスト削減での地芳道路の事業再開は不可能と言えます。

地芳道路6
【B地点】 北浦橋北詰の新旧合流地点



地芳道路7
【C地点】 井の谷工区

井の谷工区(1.3km)は現道拡幅が大部分を占めているので、工事期間中の数年間は国道を全面通行止にして大規模な改良工事が行われていました。この間は井の谷地区を経由する町道が迂回路になってました。


地芳道路8
【D地点】 地芳峠分岐

地芳トンネルに接続する永野地区の0.3kmは地芳道路の中では最も早く、平成9年に開通していました。この辺りには全通時に登坂車線が設置されるらしく用地が確保されています。
高知県側はここまでの全区間が開通しているので、残るは地芳トンネルを残すのみです。


地芳道路9
地芳トンネル 高知側坑口

建設中のトンネルには珍しく坑口に金網が設置され既に未成トンネルの雰囲気が漂っています。
と言うのは冗談でトンネルも高知県側は工事を終えているのに、愛媛県側が大量の湧水により工事が大幅に遅れているから、特にやる事のない高知側は取り合えず塞いでるものと思われます。
銘板(2003年12月竣工、延長2990m)も取り付けられていますが、実際の所は情報が少なく貫通しているのかさえ不明なのです。確か地芳トンネルは当初の予定では平成16年頃の開通予定だったと記憶してます。




地芳道路10
【E地点】 愛媛県久万高原町西谷

高知県側坑口から地芳峠を越え、15kmを30分かけて愛媛県側の地芳道路に到着。地芳トンネルが開通すれば、この間が3分に短縮されるとの事で効果は抜群です。ただ、交通量があまり見込めないのが辛い所…。


地芳道路11
【E地点】 将来の地芳道路と県道36号との交差点

本来平地の無い所に交差点を建設する為、塔のような橋台から丁字路の3方向に橋が建設されます。現在の所は県道36号→地芳トンネル方向に橋が架けられ工事用道路として利用中です。
ここから北に約1.5kmの県道52号線との交差点が地芳道路の起点で、この区間では平成17年に横野トンネル(L=215.0m)、平成18年に古味大橋(L=52.5m)が開通してます。


地芳道路12
【E地点】 地芳トンネル柳谷側坑口

この日は休日にもかかわらず工事中だったので坑口までは接近できませんでしたが、肉眼ではこの奥に柳谷側の坑口が見え工事用車両が盛んに出入りしている様子が確認できました。トンネルの開通は予算が下りたとしても、まだまだ遠そうです。

⇒愛媛側記事(H21.6/13撮影分)


地芳道路13
国道440号線の起点 旧柳谷村落出中央の橋は落出大橋

旧柳谷村は地芳峠越えの現道を開設するに当たっても、明治時代から相当な苦労をしているのですが今回の事業費凍結は新たな苦難の歴史を刻んでしまったかのようです。最後に愛媛県側の国道440号の前身である「西谷往還」について簡単に纏めました。なお、国道440号の起点は松山市だと言うツッコミは無しでお願いします(笑)

明治39年:柳井川落出~西谷菅行の奥まで九尺(幅約2.7m)道路の開設が村会で議決
明治42年:九尺道路開設を断念し、落出~大野ヶ原間に馬道(幅2m)が計画される
大正4年 :落出~古味間(12.7km)の馬道着工
大正9年 :落出~古味間の馬道完成、西谷往還が村道西谷線に認定される
大正12年:柳谷村の多大な努力が実り村道西谷線が県道梼原久万線に認定
昭和2年 :西谷地区で車道着工
昭和5年 :落出起点から車道着工
昭和15年:落出~古味間車道開通
昭和29年:林道として古味~中久保間開設
昭和33年:県道112号(地芳峠落出線)に変更認定
昭和39年:地芳峠まで車道が開通し全線開通
昭和40年:県道1号(梼原落出線)に変更認定
昭和57年:国道440号線に昇格



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