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琴電市内線01
高松駅前を走行する路面電車

現在、四国内には愛媛県松山市(伊予鉄)と高知県高知市(土佐電)に路面電車がありますが、戦前までは香川県高松市でも高松琴平電鉄によって路面電車が運行されていました。


琴電市内線19
高松駅周辺地図

高松の路面電車は高松琴平電鉄・市内線と言い、大正6(1917)年に開業した築港前~公園前間の2.4kmの路線でしたが、起点の築港前は宇高連絡船、高松駅前では予讃線、終点の公園駅前は高徳線及び琴電・志度線と連絡していた事から、利便性が高く営業成績は好調であったと言われています。
しかしながら昭和20(1945)年7月、高松空襲によって甚大な被害を受け志度線の瓦町~公園前間と共に休止状態となり、昭和23(1948)年には琴平線を延伸する形で瓦町~築港間の新ルートが開業したため、市内線と志度線の瓦町以西は復旧される事なく昭和32(1957)年に正式に廃止されました。もし、市内線と志度線の廃止区間が復旧していたら、県庁、市役所を含む市内中心部を通る環状運転なんかも実現して、それなりに有益な路線になっていたのではないでしょうか。
なお、併用軌道だった市内線が通っていた道路は大部分が現存していますが、専用軌道だった志度線の廃止区間は戦後の区画整理によって、ほとんどの区間が路盤さえ残さず消失してしまっています(地図上の青点線)。


琴電市内線03
ホテル高松ヒルズの朝食

遺構に乏しい路面電車の廃線跡という事で、あまり興味を惹かれる事もありませんでしたが、平成22(2010)年2月21日に松山から高松まで泊まりで出張する機会があったので、早朝の余暇時間に散歩がてら大護寺前から築港前まで歩いてみる事にしました。ちなみに宿泊した高松ヒルズの朝食バイキングには、特製の讃岐うどんがあっていかにも香川県らしい風情があって良かった。


琴電市内線04
【A地点】 瓦町駅(コトデン瓦町ビル)

瓦町駅は琴電の全ての路線が乗り入れるターミナル駅です。平成8(1996)年に「コトデン瓦町ビル」が完成した際に、構内の配線が大きく変更されているため、志度線が当駅から西に延びていた痕跡は全く残っていません。


琴電市内線05
中新町交差点付近の県道33号

瓦町駅から大護寺前駅跡に向けて県道33号(旧国道11号)歩いていると、無料開放を翌年に控えた「高松坂出有料道路」の標識が掲げられていました。
この高松坂出有料道路は瀬戸大橋開通後の交通量増加を見越して、国道11号のバイパス的な位置付けで昭和56(1981)年に開通したものの有料道路だったため利用が振るわず、建設費を償還できないまま平成23(2011)年に無料開放を迎えました。無料となった後は一転して交通量2.5倍に増加して、現在では4車線化が検討されています。


琴電市内線06
高松坂出有料道路の標識



琴電市内線07
【B地点】 軌道が敷かれていた旧県道173号
(大護寺前駅付近から築港方面を見る)

それでは天神前交差点付近にあった大護寺前駅(築港前起点1.7km)から市内線跡を築港に向けて辿って行きましょう。公園前から県道173号・田天津停車場栗林公園線を北上してきた市内線は天神前交差点で東側にクランクしていました。当初、「大護寺前」は「八本松」という駅名でしたが、琴電と大護寺(現在、高松幼稚園が建っている場所にあった寺院)の間で電車運行に関するイザコザがあり、その和解案として大護寺前に改称した経緯があるそうです。


琴電市内線08
【C地点】 七番丁駅(築港前起点1.4km)付近



琴電市内線09
【D地点】 五番丁駅跡付近

高松市役所の最寄駅だった五番丁駅(築港前起点1.2km)。この辺りから広場駅跡にかけては、軌道が通っていた道路が戦後復興時の画整理によって失われました。五番丁駅と広場駅の間にあった法泉寺前駅(築港前起点0.9km)に至っては、駅名の由来になった長い歴史を誇る法泉寺さえも僅かながら旧来の位置から移転しています。


琴電市内線11
【E地点】 広場駅跡

一旦消失した市内線跡は兵庫町商店街の西端から唐突に復活しています。そして、この兵庫町商店街との交差点付近に広場駅(築港前起点0.7km)が設置されていました。





琴電市内線12
【F地点】 南側から見た高松駅
(平成22年2月21日撮影)

高松駅が開業したのは明治30(1897)年。開業時は現在地よりも1kmほど西方に開設されていました。開業から13年経った明治43(1910)年には宇高連絡船との接続の便を図るため、現在地付近に移転して南側に面した2代目の駅舎が完成。冒頭の絵葉書に写っているのは、この際に建設された駅舎と大正6(1917)年に開業した市内線の高松駅前駅(築港起点0.3km)です。
戦後の昭和34(1959)年には増加する輸送量に対応すべく、築港側に0.3kmばかり駅を移転した上で東側に新たな駅舎が建てられました(3代目駅舎)。
これによって用途廃止となった2代目の駅舎は、鉄道記念物として保存が検討されていたものの、残念ながら翌昭和35(1960)年に火災によって焼失の憂き目にあっています。


琴電市内線01
【F地点】 南側から見た高松駅の2代目駅舎
(戦前絵葉書より)



琴電市内線20
高松駅に停車中の特急「いしづち」
(平成19年11月13日撮影)






琴電市内線13
【F地点】 高松駅前から公園前方面を見る
(戦前絵葉書より)



琴電市内線14
【F地点】 高松駅前から公園前方面を見る
(平成22年2月21日撮影)






琴電市内線15
【G地点】 高松駅前~築港前間の併用軌道
(戦前絵葉書より)



琴電市内線16
【G地点】 高松駅前~築港前間の併用軌道跡
(平成22年2月21日撮影)



琴電市内線17
市内線の築港前駅に代わって開業した高松築港駅



琴電市内線02
高松駅周辺地図



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